福沢一郎旧蔵の
スクラップブックより
パオロ・ウッチェロ
《聖餅の奇蹟》部分
今年、板橋区立美術館と京都府京都文化博物館で開催された展覧会「さまよえる絵筆 東京・京都 戦時下の美術家たち」は、これまで詳しく述べられることのなかった 1930 年代後半から 1940 年代前半の「前衛」画家たちの動向を、東京と京都を舞台とし「古典」「地方(郷土)」「レアリズム」というキーワードで、つぶさに検討した画期的な展覧会でした。
福沢一郎はこの展覧会の冒頭で登場します。彼は西洋の「古典」の精神にあらわれた前衛的精神に注目し、同時代の芸術にも活かすべきと考えていました。今回はこの福沢の「古典」理解に 注目し、福沢の周辺作家も含め、展覧会で紹介しきれなかった昭和戦前期における画家たちにとっての「前衛」と「古典」について考えるものです。
その手がかりとして、展覧会の企画者から報告をうけた後、福沢の西洋古典に関する文献を読み、意見交換をしながら、改めて近現代美術史の狭間ともいうべき領域を探索します。
西洋美術文庫第23巻
アトリエ社、1939年
2013年春、画家福沢一郎(1898-1992)の著書『シュールレアリズム』を読む研究会が発足し、4年半にわたって活動を続けました。その有志がふたたび集い、1936年から1941年まで福沢が主宰した絵画研究所の名とミッションを受け継ぎ、次の世代へとつなぐ活動をおこなうため、「福沢絵画研究所R」をつくりました。むこう5年のあいだ、福沢一郎及び周辺の画家たち、さらには日本近現代美術に関する研究会、シンポジウム、ワークショップ等をおこなう予定です。主な活動場所は、福沢一郎記念館(旧福沢一郎アトリエ、東京都世田谷区)です。末尾の「R」には、「Revival」「Reborn」「Rediscover」など、ふたたび福沢の活動を検証し、わたしたちの時代に活かそうという思いがこめられています。
1898-1992
研究所開設中に福沢が著した『シュールレアリズム』(1937年)を読む研究会は、2013年4月から17年12月までおこなわれました。ここから「福沢絵画研究所R」がうまれました。
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福沢絵画研究所R 世話人 伊藤佳之(福沢一郎記念館 非常勤嘱託)
Email: info[a_t_m_a_r_k]fukuz-ai-r.com